夜になっても暑さが引かない、チョコレートには厳しい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

2つ目となる6月のカカオレポートです。

6月のココア市場は、高い価格変動を特徴とする展開となりました。

足元の供給には回復が見られたものの、気象条件やエルニーニョ現象をめぐる見通し、そして依然として緩やかな需要といった要因が市場の関心を集め、価格の急激な変動を招きました。

生産と気候 

6月の西アフリカにおける生産状況は、地域によって大きな差が見られました。

コートジボワールでは、カカオの集荷量が前年水準を上回って推移しており、足元の供給が堅調であることを示しています。

しかし、複数の報告ではカカオポッド(果実)の着果不良が指摘されており、2026/27年度の生産量は220万トンから180万トンへと20%近く減少する可能性があると予測されています(Bloomberg, 2026)。

降雨はミッドクロップ(中間作)の収穫には好都合でしたが、一方で病害や洪水、乾燥工程における問題のリスクを高める要因ともなりました。

さらに、エルニーニョ現象の発生確率が高いことから、次期シーズンにおける乾燥した気象条件への懸念も続いています。

ペルーのカカオ生産の現状

6月中、エルニーニョ現象に伴う気象状況への継続的な監視が行われていたものの、ペルー産カカオの見通しは引き続き良好に推移しました。

同国の年間生産量は約17万トンと予測されており、10万戸以上の生産者家族がその恩恵を受けています。

収穫作業は順調に進んでおり、カカオの広範な供給不足の兆候は見られません。

一部の地域では、収量や豆の品質に軽微な影響を及ぼし得る水ストレスや気象異常が確認されていますが、予防的な栽培管理や継続的な圃場(ほじょう)の監視を通じて適切に対処されています。

市場の課題

市場の最大の課題は、依然として将来の供給をめぐる不透明感にあります。

ICCO(国際ココア機関)は2024/25年度の世界的な供給余剰見通しを7万5000トンから4万8000トンに下方修正しましたが(Bloomberg, 2026)、需要の低迷や粉砕量の減少が続いていることを主因に、市場は依然として小幅な供給過剰の状態にあると見込まれます。

6月には、西アフリカの生産に影響を及ぼし、2026/27年度の供給不足を招きかねないエルニーニョ現象の発生懸念が価格変動の要因となりました。

結論

6月の市場は、比較的堅調な現在の供給状況と、今後の収穫に対する懸念が交錯する状況となりました。

カカオの入荷量は引き続き良好な水準を示しているものの、気候変動リスク、カカオ豆の発育不良、需要の不確実性などから、今後数か月間の価格は高止まりする可能性があると予想されています。

竹内一裕
株式会社フィノデアロマ
Kazuhiro Pancho Takeuchi
FINO DE AROMA Co., Ltd.