
いよいよ暑くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
6月のカカオマーケットレポートです。
エルニーニョ現象が続く中、世界のカカオ市場は気象状況の監視強化期に入っています。
今回は、現状の概要と、こうした状況がペルーにおけるカカオ事業運営に、どのような影響を与えているかについてお話します。
1. エルニーニョ現象が再び注目を集める
Expana社が発表した最新の作物調査(2026年6月)では、世界最大のカカオ生産国であるコートジボワールのカカオ生育状況を評価した結果、樹木の回復は依然として限定的であることが判明しました。
土壌水分は改善したものの、回復状況は地域によってばらつきがあり、複数の栽培地域で維持管理上の課題が残っています。 その結果、Expana社はコートジボワールの2026/27年度の収穫量予測を10万トン下方修正し、187万トンとしました。
一方、ガーナの予測は58万トンで据え置きました。
これら2つの産地は世界のカカオ生産量の約60%を占めており、今回の修正幅は中程度にとどまるものの、生産量予測の修正は市場から大きな注目を集めています。
エルニーニョ現象に関して、米国海洋大気庁(NOAA)は、11月から1月にかけてエルニーニョ現象が非常に強い状態に発達する確率を63%と推定。
しかし、その影響はカカオ生産地域全体で一様ではないと予想されています。
エクアドルとインドネシアでは、エルニーニョ現象は通常、平均を上回る降雨量と関連付けられますが、西アフリカでは、その影響はより間接的で、乾燥した季節風であるハルマッタンを通じて現れます。
ハルマッタンが強まると、カカオの木への水分ストレスが増加する可能性があります。
2. ペルーの作柄は順調に推移
2026年の作付けシーズンは、広範囲にわたる生産量減少の兆候もなく順調に進んでいます。
一部の熱帯雨林地域では局地的な水不足と異常気象が発生し、1ヘクタール当たりの収穫量は昨年の水準をわずかに下回っています。
現段階では、カカオ全体の供給量への懸念よりも、豆の成熟度、均一性、植物の健康状態といった品質の維持が主な課題となっています。
こうした状況に対応するため、MPF社の技術顧問チームは、日陰の確保、排水改善、適時収穫、病害の継続的な監視といった予防的な圃場管理手法を強化しました。
つまり、今年は供給不足が予想されるシーズンではなく、圃場におけるより一層の農学的注意が必要なシーズンと言えるでしょう。
3. 総合評価
現段階では、ペルーからの供給ショックは想定していません。
地域によっては品質や生産量に若干のばらつきが生じる可能性がありますが、これらの状況はすでに今作の栽培管理計画に反映されています。
今後もペルーおよび世界の主要カカオ生産地における気象状況を引き続き綿密に監視し、市場に影響を与える可能性のある重要な変化について注視していく必要があります。
日本市場は特に情報が希薄で、優れた産地とのパイプが細いことも問題です。
竹内一裕
株式会社フィノデアロマ
Kazuhiro Pancho Takeuchi
FINO DE AROMA Co., Ltd.
