
5月のカカオマーケットレポートです。
5月中、西アフリカにおける今後の生産見通しの不確実性や天候関連のリスクにより、カカオ市場は引き続き非常に不安定な状態が続きました。
月末にかけて収穫状況の改善の兆しが見られたものの、市場は依然として天候、規制、および金融要因の影響を受けやすい状況にありました。
生産と気候
主要なカカオ生産地域では、5月にさまざまな天候に見舞われました。コートジボワールとガーナでは降雨量が不規則で、いくつかの地域では平均を下回りました。
さらに、エルニーニョ現象の発生確率は約82%に達し、西アフリカにおける気温上昇と干ばつのリスクが高まりました(ロイター、2026年)。
しかしながら、コートジボワールでは月末にかけて降雨量が回復し、カカオの実の発育に好影響を与えました。
生産量に関して、コートジボワールは2025/26年の収穫量を200万トンから210万トンと予測しており、これは前シーズンと比較して最大11%の増加となります(ロイター、2026年)。
ペルーのカカオ生産の現状
5月、ペルーのカカオ産業は、エルニーニョ現象に伴う水不足と異常気象により、主要収穫期の収量に影響が出たため、引き続き生産上の課題に直面しています。
輸出面では、カカオ製品が総輸出量の約65%を占め、従来のカカオ豆に比べて市場シェアがさらに拡大。
商業面では、カカオ豆の供給不足により買い手間の競争が激化し、国際価格の下落にもかかわらず、生産者にとって魅力的な価格が維持されています。
市場の課題
西アフリカの生産に関する期待の変化とエルニーニョ現象の脅威が、価格の急激な変動を引き起こしました。
ガーナでは、カカオ部門の財政難や農家への支払いの遅延など、構造的な問題も依然として存在しています。
さらに、コートジボワールとガーナでは、欧州森林破壊規制(EUDR)への対応におけるトレーサビリティの課題も加わっているため、混迷が続いています。
結論
5月の市場は、さまざまな兆候が混在する中で終了しました。
一部の生産地域では生産見通しが改善したものの、今後数ヶ月間の供給と価格動向に影響を与える可能性のある不確実性が依然として残っています。
竹内一裕
株式会社フィノデアロマ
Kazuhiro Pancho Takeuchi
FINO DE AROMA Co., Ltd.
