12月もすでに半ばですが、いかがお過ごしでしょうか。

11月のカカオマーケットレポートです。

11月の国際カカオ市場は規制圧力、需要減少、投機的な売りにより連続的な価格下落を記録しました。

気候と生産

コートジボワールへの到着量は、数週間の回復にもかかわらず、11月23日時点で618,000トンと前年比3.9%減となり、引き続き期待を下回っています。

特に西アフリカの生産性の低さは、気候ではなく害虫の影響が主なようです。

これらの国の一つであるナイジェリアは、生産量が11%減少すると予測されています。一部のレポートでは天候は良好と考えられていましたが、世界の供給は主に新興国で改善しています。エクアドルは2026年に623,000トン以上の輸出を見込んでおり、ガーナを上回ります。さらに、ペルーやカメルーンなどの他の生産国でも記録的な収穫が見られます。コートジボワールの製粉量は10月に25.4%減少し、シーズンの弱いスタートを反映しています。

ペルー国内の生産について

ペルーは、他国における生産量の減少が世界的に顕著となる中、カカオ産業の強化に着実に取り組んでいます。現在、点滴灌漑などの技術的ソリューションを通じ、特にカカオ産業の生産性向上を目指した投資が行われています。

さらに、2025年11月には、ペルー初の国際カカオ見本市「FICACAO 2025」がVRAEM(ペルー・カカオ・エキシビション・センター)で開催され、ファインアロマカカオの普及と国際貿易網の拡大に向けたペルーの取り組みが強化されました。

市場の課題

高価格による需要減退により、市場は強い下押し圧力に直面し、メーカーはカカオ含有量の削減や配合変更を余儀なくされました。規制をめぐる不確実性もこの月の特徴でした。欧州連合(EU)はEUDR(欧州消費者物価指数)の1年延期を提案し、市場は急落しました。価格構造の弱体化と、米国による食品(カカオを含む)への関税免除が、価格変動リスクを高めました。

結論として

11月は、アフリカの供給逼迫とラテンアメリカの供給増加、そして需要の脆弱性に圧迫され、明確な弱気相場で終了しました。一部の気候リスクは依然として残っていますが、11月の傾向は価格の下落を示し、EUDRの動向と主要生産国の生産回復に注目が集まりました。

しかしながら、輸送費の増加や為替の問題など不安定要素も大きい状態です。

竹内一裕
株式会社フィノデアロマ
Kazuhiro Pancho Takeuchi
FINO DE AROMA Co., Ltd.